★豪政観、ワークショップ「JAM」を現地で初開催 ゴールドコーストで、今後は日豪交互開催も検討
オーストラリア政府観光局は、今年で20回目迎える日本市場向けワークショップ「JAM(Japan Australia Mission)」を初めて現地ゴールドコーストで開催した。9月6〜8日の期間中、日本から企画担当者を中心に旅行会社バイヤー41名、現地オーストラリアから計53社のサプライヤーが一堂に会し、事前アポイント制の商談に臨む。
今回、初めてJAMをオーストラリアで開催した理由について、オーストラリア政府観光局堀和典日本局長は「これまで日本で毎年いろいろなフォーマットで開催してきたが、一人でも多くの現地サプライヤーが参加できるよう、サプライヤーのコスト軽減を考慮して現地開催とした」と説明する。また「日本のバイヤーが現地へ来て、実際に現地を見てもらえる」と、現地開催の意義を強調。日本側参加者はJAM終了後、各州の観光局が組んだ計8本のFAMツアーに分かれて参加、それぞれ現地の観光ポイントを視察する。
「新しい試み」となった今回のJAMの現地開催。堀氏は「今回をトライアルとし、フィードバックを基に今後の開催を決定したい」と語る。来年は9月を目処に日本で開催される予定。再来年以降については、日豪での交互開催も検討する。
参加者からも今回の現地開催は概ね好評だ。日本側参加者からは「現地を体験できる良い機会」と評価する声が大きく聞かれ、オーストラリア側も観光局の期待通り、今回初参加するサプライヤーが増えるなど、一定の効果が表れた形だ。
訪豪日本人、インフル反動で1-8月18%増に
堀氏「大きなリカバリーの年」、40万人台も視野
一方、昨年新型インフルエンザによる需要減を受けたオーストラリアの回復が顕著だ。最新の数字で今年1〜8月の訪豪日本人は、前年同期比で18%増を記録(8月分は推計値)。また7月単月は前年同月比67%増、8月(推計値)は同53%と急速な回復ぶりを見せる。これを受け、堀氏は「9月以降、昨年レベルに推移しても、今年は2桁の伸びを予測している。40万人に近い数字も見えてくるだろう。今年は大きなリカバーの年」とコメント。また今回、JAMに参加したリチャード・ビアー日本・アジア統括本部長も「直近の5週間は力強い回復ぶりを見せている」と説明、「マーケットが今後一歩一歩緩やかに回復していくことを望んでいる」と期待を見せる。
需要回復の背景について、堀氏は「昨年6月以降の新型インフルエンザの反動で、主に修学旅行や語学研修、また夏場の家族旅行の需要が戻ったのが大きな要因」と指摘。今後は日本航空のブリスベン線運休(10月〜)など、「航空座席供給は引き続き厳しい状況」(堀氏)としながらも、ジェットスター航空の関空?ケアンズ線の就航(4月)やカンタス航空の成田?シドニー線の機材大型化(7月)など、「全体の供給量は増えており、期待できる部分はある」と明るい見通しを示す。また修学旅行やインセンティブを「チャーター便で対応していく」などの方策も検討していく考えだ。
ハネムーンに焦点、リテーラー対策強化
需要回復を強固なものにすべく、今後観光局では、今後ハネムーンとSIT、教育旅行の3つに焦点を当てた各種プロモーションを展開する。ハネムーン向けには、新たにリテーラー向けのキャンペーンをスタート。販促用のディスプレイを無料で提供し、ハネムーンをテーマとした店頭ディスプレイコンテストを11月15日まで実施。堀氏は「800店舗を目標としたい」と意気込みを見せる。また12月には東名阪で「ハネムーン&ウェディングセミナー」、来年5月にはFAMツアーの開催も計画。さらにJATA(日本旅行業協会)との共催による店頭スタッフ向け教育プログラム「オージースペシャリスト(ASP)」も引き続き継続、強化を図る。
一方、SIT対策のコアとなるのが、9月15日に開始する「私のイチオシ」キャンペーンだ。「こんな体験したことある?オーストラリア」をキャッチフレーズに、オーストラリア人イチオシの3500のクチコミ情報と画像をキャンペーンサイト上で紹介。クチコミ情報の人気投票や日本人旅行者からのクチコミを募集するフォトコンテストをキャンペーン第一弾として、11月15日まで実施する。ビアー氏は「日本でもSIT化が進んでおり、情報提供は重要な課題。新しいキャンペーンがこれらSITの人たちのサポートとなるだろう」と期待を寄せる。
また教育旅行について、堀氏は「海外へ初めて出るきっかけとなり、もう一度戻る傾向が強い」と、重要性を強調。今後は旅行会社との連携を図りながら、教員向けセミナーやFAMの実施に加え、新商品の開発も積極的に行っていく意向だ。
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